圧倒的な「大審問官」と「ゾシマの教え」 大好評! 全4巻の中核、ついに登場 死の床にあるゾシマ長老が残す、輝く言葉の数々。 長老の驚くべき過去が、明らかにされる。 カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)/光文社 ¥760 Amazon.co.jp フョードル・ドストエフスキー(亀山郁夫訳)『カラマーゾフの兄弟』(全5巻、光文社古典新訳文庫)読み終わりました。Amazonのリンクは1巻のものだけを貼っておきます。
ドストエフスキーの読書会の最後の課題本が「カラマーゾフの兄弟」で、課題的には一回読了している*1ので特に問題(?!)はないのだけど、なんとなく再読するくらいの勢いがないといけないのではないかと思い新潮文庫版(原卓也訳)で飛ばし読みをした。その感想。長い上に落ちも結論もありません。 連続する読書会「ドストエフスキー」 ド… この広告は、90日以上更新していないブログに表示しています。その感想。長い上に落ちも結論もありません。おなじみの通常、文庫本の「解説」とか「あとがき」とかどう考えても手抜きのあってもなくてもいいよな、むしろないほうがいいくらいのものが多いが、この亀山読書ガイドはそれだけで独立して読めるだけの内容が詰まっている。各巻ごとにあらすじ、主な登場人物のキャ強欲なネットで「兄弟」を調べてみても、あまりネタバレを発見できない。誰も読んでないんじゃないの?と思わなくもないが、2000ページを超える小説のあらすじを記すだけでも大変だし、いきなりネタバレするようなことを書くというのも何を書けばネタバレになるのか、それすらもよくわからないという状況なのではないかと予想する。本書は長編ミステリーとしても読めるし、人間の欲望、宗教とまあ、そんなこんなで一回目はストーリー展開に翻弄されながら読んだ。そして何を思ったか作者より この物語の主人公アレクセイ・フョードロヴィッチ・カラマゾフの伝記にとりかかるに当たって、自分は一種の懐疑に陥っている。(中略)つまり、2000ページ以上費やして描かれた「兄弟」の全体を読んだつもりになっていたのだが、自分が読んだのは二つある小説のうちの前半部分だけだったのである。そしてすなわち「一度目読んだ時は「作者より」に明示的に描かれていることなんか見事にスルーして、壮大な物語に翻弄されて、そういう構造だったのかというのを全く読解できていなかった。自分の読解力の無さというか二周目に突入してみると、作者が置いていった伏線や、それの回収方法など、物語の構造にも目が行くようになって、そうすると、細かいところにも注意がいって面白い。テキストを下記は次男イワンの発言だ。 しかしそれにしたって、一つ断っておかなくてはならないことがあるんだ。かりに神が存在し、この地球をじっさいに創造したとしてもだ、おれたちが完全に知りつくしているとおり、神はこの地球をイワンは三次元の概念しか理解できない頭脳には神は理解できないと結論している。彼には「それはともかく、科学や技術についての反発が見え隠れする。第4巻219ページには「クロードベルナールはフランス人の機械による知性と人間の知性という問題はイワン(次男)には「妄想は尽きない。何度でも読みたい一冊になった。面白い。 カラマーゾフの兄弟1 ドストエフスキー/著 亀山郁夫/訳 流れ、勢いこそ『カラマーゾフ』の神髄だ。 自分の課題として受けとめた今回の亀山郁夫訳は、作者の壮絶な「二枚舌」を摘出する。 (ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 亀山郁夫訳 光文社文庫) 「僕が知っているのは一つだけです」なおもほとんどささやくように、アリョーシャは言った。 hyoshiokさんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか? カラマーゾフの兄弟2 ドストエフスキー/著 亀山郁夫/訳. カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫) 1,132円 Amazon アリョーシャは、長兄:ミーチャが狼藉を働いた二… 世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ。これは、村上春樹さんが翻訳した作品『ペット・サウンズ』のあとがきで書かれた一言です。あなたはどちらでしょうか?“人類文学の最高傑作”と評されることも多い『カラマーゾフの兄弟』。本書は、ドストエフスキーが亡くなる80日前に完成した作品で、続編が予定されていたものの未完で終わっています。未完にも関わらず、なぜここまで評価されているのか気になる人は多いのではないでしょうか。難解な小説ではありますが、ぜひ挑戦してその理由を確かめてみてください。 『街で有名なカラマーゾフ家の主フョードルには、息子が4人いる。なかでも長男のドミートリィは、父のフョードルと折り合いが合わず、常に喧嘩ばかりしていた。そしてついに、ドミートリィはフョードルの殺害を計画。 同じ人物でもあだ名が多く登場するため読みにくさを感じるかもしれませんが、 では、『カラマーゾフの兄弟』が最高傑作と評される理由は何なのでしょうか。「ミステリー、恋愛、宗教、家族など、あらゆるジャンルの小説エッセンスが織り交ぜられているところ」など、いろいろと意見があると思います。 でも、一番の理由は、お前は個人たると全人類たるとを問わず、すべての人間に共通する永遠の悩みに答えることになったはずだった。その悩みとは《だれの前にひれ伏すべきか?》ということにほかならない。(略)人間という哀れな生き物の苦労は、わしなり他のだれかなりがひれ伏すべき対象を探しだすことだけではなく、すべての人間が心から信じてひれ伏すことのできるような、それも必ずみんながいっしょにひれ伏せるような対象を探しだすことでもあるからだ。まさにこの跪拝の統一性という欲求こそ、有史以来、個人たると人類たるとを問わず人間一人ひとりの最大の苦しみにほかならない。統一的な跪拝のために人間は剣で互いに滅ぼし合ってきたのだ。(略)この世界から神が消え去るときでさえ、同じことだろう。どうせ人間どもは偶像の前にひれ伏すのだからな。(新潮文庫版 上巻 p639-640) 本書では、世界中の人々が思い悩んでいる「神はいるのか?」「神がいるなら、なぜ悪が存在するのか?」などテーマを一つ一つ問題提起し、明確な答えを出してくれているのです。哲学的な記述が続きますが、自分では到底辿り着くことができない答えを提言してくれているので、どんどん引き込まれていきます。 また、登場人物はそれぞれ悩みを抱えています。誰に一番共感できるか、自身の深層心理に照らし合わせて読むと、さらに自分のことを理解できるかもしれません。 もちろん本書に影響を受けた日本人作家は多く、その数は数え切れないほどです。今回は、3人の作家をピックアップし、『カラマーゾフの兄弟』について言及している文章を引用したいと思います。 もし「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ」と言われたら、考えるまでもなく答えは決まっている。この『グレート・ギャツビー』と、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と、レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』である。『グレート・ギャツビー』(p333) 僕がドストエフスキイに一番感心したのは「カラマーゾフの兄弟」ね、最高のものだと思った。 アリョーシャなんていう人間を創作するところ……。 アリョーシャは人間の最高だよ。涙を流したよ。ほんとうの涙というものはあそこにしかないよ。『小林秀雄対話集』(p31~p33) 『カラマーゾフの兄弟』や『悪霊』のような根源的な観念をまるで核の分裂のように吐きだせる人物を今の私の力倆ではとても、創作できるとは思えない。 小説技術的にも何とすごい作家だと思った。その時はいつか、自分もドストエーフスキイのような小説を書くべしと思った。しかし、思えばそれは、こわいもの知らずであった。以来二十年、私ができたのは、結局、私の理想的人物を描いた作品に『白痴』からヒントをえた『おバカさん』という題名を与えたぐらいであった。『遠藤周作文学全集13』(p54~55) 村上春樹さんの言葉にあるように、世の中には『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人がいるなら、読破した側に行きたいと思う読書家のみなさん。第1部を乗り切れば、第2部、第3部と徐々に面白くなっていきます。いったい誰がフョードルを殺したのか? 謎が解き明かされていきます。ぜひ読破して達成感を感じてみてください。【おすすめ記事】 『当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用は固く禁じます。テキスト、画像等を他所でご使用になりたい場合は、ブックオフオンラインカスタマーセンターまでお問い合わせください。ブックオフコーポレーション株式会社Copyright © BOOKOFF CORPORATION.