キレイ と ケガレ. 同じ人間の中であっても. 2019年版「キレイ―神様と待ち合わせした女-」をシアターコクーンで観た。作・演出:松尾スズキ、音楽:伊藤ヨタロウ、出演:生田絵梨花、神木隆之介、小池徹平ほか。禍々しいミュージカルだった。感想と上演時間、見切れの情報など。 このブログはどこから来たのか このブログは何者か このブログはどこへ行くのかfujiponさんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか? 松尾スズキが2000年に発表した初めてのミュージカル「キレイー神様と待ち合わせした女」が、2005年の再演以来10年ぶりに再々演されている。 この対立がせめぎあっているシーンもあり. キレイを追い求める人間 と ケガレを忌み嫌う人間.
エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。コネタ巷のB級ニュースや話題のネタなどついつい周りに話ししたくなる”小”ネタをお届け中。90s チョベリー90年代 ~ 00年代の流行、芸能ゴシップ、裏話など懐かしいと思うニュースをご紹介。エキサイトミュージック話題のアーティストのライブ情報や最新音楽情報などをお届け。人気アイドルグループや注目アーティストのインタビューなども充実。スマダンミレニアム世代の男性がスマートに生きるための情報を発信中。Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 Copyright © エキサイトレビューCopyright © 1997-2020 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved. Powered by 引用をストックしました引用するにはまずログインしてください引用をストックできませんでした。再度お試しください限定公開記事のため引用できません。 みなさんこんにちは。文系女子SEのほりごたつ(今回は舞台の解釈記事となります。公演真っただ中のためはばかられますが。。戯曲は売られているみたいですね。まあ舞台の解釈とはいえ私も一回見ただけではいろいろ抜け落ちていたりするので舞台感想を書いたのだな、程度に読んでいただけたら幸いです。まずは裏表紙に記載のあらすじをご紹介しますね。三つの国に分かれ、100年もの間、民族紛争が続く”もう一つの日本”。その争いのさなか、民族解放軍を名乗るグループに誘拐され、監禁されていた少女が、10年ぶりにソトの世界に脱出する。回収されたダイズ兵を食用として加工するダイダイ食品の社長令嬢・カスミと奇妙な友情で結ばれていくケガレ。戦場をうろつき、死体を拾って小銭を稼ぐ、そんな健気なケガレを見守るのは成人したケガレ=ミソギだった。その後ケガレは、カスミの身代わりで背中に銃弾を受け5年間昏睡状態に陥っていたが、目覚めたと同時に、同じく頭に銃弾を受け、頭脳明晰なゲイに変貌した青年ハリコナと結婚する。死ぬことに憧れつつもなかなか死ねないダイズ兵のダイズ丸、誘拐・監禁することでしか女性と一緒にいられないマジシャンらと出会い、出典:この舞台には、大きな二項対立があります。言わずもがなですがそして同じ人間の中であってもこの対立がせめぎあっているシーンもありまさしくこれがこの舞台の主題でしょう。 ここまでは良いとして、クライマックスに向かうにつれてと結構置いてけぼりにされてしまった感があり。。以下、私なりの解釈を述べていこうと思います。もし、最後のシーンあたりがモヤモヤしてるなぁと思う方がいたら読んでいただければ多少はスッキリするかと。 この物語の主人公、ケガレは10年間もの監禁生活から脱出したあと、何者かから「オマエはケガレだ」と言われ「ケガレ」と名乗ります。 その後なんやかんやあり(略)5年間の昏睡状態から目覚めて成人となったケガレは「寝ている間ずっと”ミソギ”って叫んでた」というダイズ丸の証言もありダイズ丸やハリコナから「オマエはミソギだ」と命名され新たな名前に変わることになります。 この構造をおさえるにあたり、まずそもそもいずれも民族学上の言葉ですのでそれぞれ見ていきたいと思います。誰もが「汚れ」の方が連想しやすくなった時代になりましたが、おそらく漢字表記するなら「穢れ」でしょう。辞書から引用するとこのようになります。舞台を観劇する上では①~③のすべての意味を包含した「ケガレ」という抽象的イメージでとらえればいいと思います。 カネコ組の前に初めて姿を現した「ケガレ」は10年もの監禁生活で見た目的にも「汚い」姿として表現されていますし、ダイズ兵の回収をするときもとお金への執着もすごい。 しかしポイントは辞書の③の意味。というのも、幼少期のケガレはこれがクライマックスシーンの読み取りに影響してくると考えます。こちらもまず辞書から引用してみます。この辞書の意味を捉えただけでも、ケガレとミソギは大きな対立関係にあることが分かります。 辞書的な意味だけでなく、成人したミソギはケガレとは性格も変わっていました。「慰謝料1億ちょうだい!」と言われればと言って破産したり。 そしてミソギのポイントとしてはケガレと対照的に、カスミの死やダイズ丸との子供の出産など、ここまでをまとめてこの対比を整理したうえで疑問として挙げられるのは以下。・地下から脱出する際、「オマエはケガレだ」と命名したのは誰?・なぜケガレは「カミ」の存在をそこまで気にしている?・ミソギが何かにつけ掘り起こそうとしているのは何?・ミソギがお金に執着しなくなってしまったのはなぜ?それでは上記の疑問を解決すべく、重要なポイントを整理していきます。まず一つ目はコレ。基本的にどの人物も欠かせないのですが、疑問を解決するにあたってはハリコナとカスミの存在は大きいです。そもそも「ケガレ」は「ケ」が「枯れ」ることが由来だとされています。ハレ ・・・ 非日常ケ ・・・・ 日常「ケ」が「既存の秩序を乱す存在。これがケガレだとしたときにケガレを「穢れ」でなくしてくれる象徴的存在と言えるでしょう。 また、このように考えると「花」はケガレの対立にある「キレイ」の象徴と言えます。まず身なりからカスミはケガレの対極にあります。そして彼女の特徴は自分の足の傷を見せながらと歌ったり。と歌ったり。 ケガレが10年間もの監禁生活をすべて忘れたりハリコナがバカだったころの自分を忘れたりジュッテンがもう見たくないものを見ないように目をつむったりカスミだけは自分の汚い部分から目を背けずに向き合っています。 ここまでをまとめると以下の通り。ケガレとハリコナは「花」を介してケガレ(ミソギ)とカスミは「目を背けたいもの=ケガレたもの」を介してそれぞれ対立関係にあると言えますね。成人し、社長夫人として「キレイ」な生活を送っていたはずのミソギ。しかしダイズ丸とハリコナと離婚したりカスミが最初の方に述べた「穢れ」に直面します。 ハリコナと離婚する際と発言していることから、「キレイ」なものは集まったはず。それなのになぜかケガレていくミソギ。 そしてクライマックス。と叫んだミソギは地下にいるのはカミ。そしてカミは・・・もう一人のミソギ。・地下から脱出する際、「オマエはケガレだ」と命名したのは誰?・なぜケガレは「カミ」の存在をそこまで気にしている?・ミソギが何かにつけ掘り起こそうとしているのは何?・ミソギがお金に執着しなくなってしまったのはなぜ?自分の体の大きさだけお金を集めても。成人して名前だけ「ミソギ」に変えても。 地下室で起こった悲しくて暗い過去は、カスミがそうしていたように。 これがこの物語のクライマックスの解釈です。最終的にはここにたどり着くのでしょう。汚い部分もあるからこそ人間なんですよね。 特に冒頭でもクライマックスでもあった「女神像を倒す」シーン。 ミソギは女神像を倒して地下への扉を開けるわけですが、地下はなど奴隷、独裁政権のような 戦争や紛争で争った暗く悲しい過去があり、そこから一つになったからこそ建てられた自由の女神。平和ボケするだけではなくて、きちんとその自由の女神が建てられた背景に向き合わなければいけない、そんなことを感じましたね。 とはいえまずはみんな歌がうまいしおもしろかった。。(語彙力)文学部で日本語学を専攻したのち、新卒SEとしてSIerに入社。今は開発責任者をこなしています。