今回は、「生物基礎」の第3章“生物の体内環境”に登場する目次もし、ホルモンの名前をまだうろ覚えなのであれば、先にホルモンの名前と働きの勉強から始めることをおすすめします。下のリンクは、管理人が作ったホルモンの一覧表なので、よければ勉強の役に立ててください。PDFでダウンロードすることも可能です。まずは演習問題として、下のスライド1にある問題を解いてみましょう。どうでしたか? 基本で典型的なテーマですが、難易度はそこそこあります。解けた人も解けなかった人も、解答と解説を見て、解き方を確認しましょう。解答は、次のスライド2にまとめました。チェックしてみましょう。では、解説に移りましょう。問題文中の(1)~(5)に、適切な語句を答えなさい。この問題はただ、フィードバックに“正”と“負”があることを初めて知った人もいると思います。なので、正のフィードバック調節と負のフィードバックについて、次のスライド3にまとめておきました。黄色文字にしているところが重要なところです。これを機に、フィードバック調節の意味を正の場合と負の場合も合わせて覚えておきましょう。語句を答える問題は基本中の基本なので、教科書に太文字で登場する単語は覚えておこう!また、フィードバック調節には、“正”と“負”の場合があることを知っておこう!高校生物の第1章“細胞と分子”の“酵素”でも「フィードバック調節」という言葉が登場します。高校生物を勉強する人は、“酵素”のフィードバック調節も誤解なく学びましょう。甲状腺機能低下症は、血液中のチロキシン濃度が下がる病気であり、そのことで体の機能や代謝に異常が生じる。この病気の原因は複数あるが、仮に脳下垂体の障害が理由であるとき、そんな障害が考えられるか。2つ挙げよ。この問題は問題文を読み直すと、「甲状腺機能低下症の原因が脳下垂体にあるとき、考えられる障害を2つ述べよ。」というものになります。このとき答えることができるのは、問題文の通り2つしかないのです。まず、脳下垂体前葉がどのように機能するかについて、スライド4にまとめたので見てください。このように、では、答えの1つである“放出ホルモンの受容体の障害”について、スライド5にまとめてみます。次に、“甲状腺刺激ホルモンの分泌の障害”について、スライド6にまとめてみます。このように、ホルモンを分泌する器官の障害の多くは、“受容体の障害”と“分泌の障害”の2つを挙げることができます。ホルモンの器官の障害の多くは、感知する部分である“受容体の障害”と、分泌をする部分の障害の2パターンに分けられる。この問題は考察問題です。甲状腺機能低下症によってフィードバック調節が機能しなくなった場合について、考えることになります。問題と見比べやすいように、改めて問題をスライド7に載せておきます。では、まずそれぞれのネズミがどのような状態なのかについてまとめることから始めたいと思います。次のスライド8~スライド11は、健康なネズミと障害を持つネズミのホルモン調節をまとめたものになります。このスライド8が、正常なホルモン調節の書き方だとします。この場合は、甲状腺に障害があることでチロキシンの分泌が抑制されています。体液中のチロキシン濃度が低下したことから正のフィードバック調節が働き、視床下部で放出ホルモンがたくさん分泌されます。そのことにより、脳下垂体でも甲状腺刺激ホルモンがたくさん分泌されます。なお、この場合は、甲状腺刺激ホルモンの分泌が抑制されているのでチロキシンの分泌も抑制されています。体液中のチロキシン濃度が低いことから正のフィードバック調節が働き、視床下部の放出ホルモンはよりたくさん分泌されています。この場合は、視床下部から放出ホルモンが分泌されないので、そのあとのホルモンの分泌が抑制されてしまっています。また、正のフィードバック調節は機能しません。スライドを4枚も使いましたが、正常な場合と異常な場合のホルモン調節がどのようになっているか理解できたでしょうか?この考え方ができていないと、問3を解くことはできません。わからない人は、繰り返しスライド8~11を見直してみましょう。さて、そろそろ問題の解説に移りましょう。まず、実験①の解答(a)~(d)についてです。この空欄には、「それぞれの原因のネズミに対して“何も操作をせずに甲状腺刺激ホルモンの血液中の濃度を測定した”結果、甲状腺刺激ホルモンの血液中の濃度が通常のネズミと比べてどうなのか。」ということを答えることになります。なので、先ほどのホルモン調節のスライドで、単に甲状腺刺激ホルモンの分泌が多くなっている“1.ヨウ素不足”の場合と“2.甲状腺の障害”の場合が、通常のネズミと比べて甲状腺刺激ホルモンが多くなっているので、答えとなります。次に、実験②の解答(e)~(h)についてです。この空欄には、「それぞれの原因のネズミに対して、“放出ホルモンを投与した後、甲状腺刺激ホルモンの血液中の濃度を測定した”結果、投与前と比べて、甲状腺刺激ホルモンの濃度がどう変わるのか。」ということを答えることになります。なので、放出ホルモンを投与して甲状腺刺激ホルモンの分泌量が多くなるものを選べばよいだけです。これもスライド12を見てみると、“4.視床下部の障害”の場合に放出ホルモンが投与されれば、投与された放出ホルモンが脳下垂体に働きかけて甲状腺刺激ホルモンが分泌され、投与前よりも甲状腺刺激ホルモンの量が増える、と考えることができます。これは、次のスライド13のように説明できます。ちなみに、視床下部の障害だけが放出ホルモン投与後に甲状腺刺激ホルモンが増えますが、他の場合でも甲状腺刺激ホルモンが増えるのではないかと迷った人が多くいるのではないかと思います。この問題でこの疑問に対する答えは、「甲状腺刺激ホルモンは限界まで増えた状態なので、放出ホルモンが投与されることでさらに増えても、甲状腺刺激ホルモンは増えない。」というものになります。簡単に言うと、「チロキシンが血液中ですごく不足している状態は体にとって緊急の状態なので、限界まで放出ホルモンや甲状腺刺激ホルモンを放出している状態になっている。」と説明することができます。なので、1.ヨウ素の場合と2.甲状腺の障害の場合は投与前後で甲状腺刺激ホルモンの濃度に変化はありません。また、3.脳下垂体の異常の場合は、脳下垂体から甲状腺刺激ホルモンを分泌することができないので、投与前後で変化がないことになります。ホルモン調節の考察問題の場合は、図を自分で描いてみると考えやすい。なので、図を描けるようになっておこう!今回の問題について総括するならば、いくつかの点を言うことができます。まず、問1の語句を埋める問題については、全問正解すべきところです。次に、問2の記述問題ですが、これは記述問題というよりは知識問題になるので、ホルモン分泌のしくみをしっかりと知っているかが問われています。問3はフィードバック調節の考察問題ですが、基本をおさえていれば解くことのできる問題でした。この問題での勝敗の分かれ目は、やはり問3だと思います。生物基礎しか学習していない人にとっては、考察問題は難しく感じるものです。ただ、センター試験で8割を目指すのであれば、このテーマの問題は今回を機にできるようになった方がよいでしょう。もっとご協力頂けるなら、アンケートページでお答えください。下にスクロールすると、コメント欄があります。この記事の質問や間違いの指摘などで、コメントをしてください。管理人を応援するコメントもお待ちしております。なお、返信には時間がかかる場合があります、ご容赦ください。以上でこの記事は終わりです。ご視聴ありがとうございました。今後、遺伝の法則の用語「優性・劣性」は「※日本学術会議分科会による提言、2019年7月頃のニュースリンク切れになっている記事は、現在調整中です。★厳しい時勢の中、当サイトがお役に立てたら幸いです。★★2020年7月15日最終作業日。お問い合わせがあったので、免責事項に著作権法第三十五法の件を明記しておきました。ご確認ください。 この記事では、生物基礎の第3章“生物の体内環境”に登場する ホルモンのまとめの一覧表 を紹介しています。 表の一部を空白にすることで簡易テストにもしているので、試してみてください。 生物基礎のホルモンは表で覚える方法が一般的ですが、文系の人は問題を解きながら流れで覚えたほうが覚えやすいかもしれません。 また出るホルモンと問題形式は決まっているので、問題と答えをセットで覚えてしまいましょう。 生物基礎の科目学習内容の一覧ページです。|定期テスト対策サイトは、中間や期末などの定期試験・定期テスト対策のためのサイトです。|ベネッセコーポレーション はじめに. 高校生物の一問一答形式の無料問題集です。基礎を中心に範囲別に掲載しているので、センター試験などの大学受験勉強はもちろん、学校の定期テスト対策にもおすすめです。