自分自身を見直すために、自身の看護の質向上を図るために実施される看護リフレクション。当ページでは、概要や有効に活用するために思考、実施に際するプロセス、事例など、看護リフレクションについて包括的かつ詳細にご説明します。看護リフレクションとは何か、どのように方法を用いて実施するのか分からないという方は、最後までしっかりお読みください。 目次リフレクション(Reflection)とは、①鏡に映った自分やものごとの像、②過去の行為・決定について注意深く考え直すこと、という2つの意味があります。看護を提供する中で、「何か気に障ったことを言ったかな」と、自分の発現した言葉に対して患者の行動に違和感を感じることがしばしばあるはずです。これは看護だけでなく、友達との会話の中での相手の表情や仕草からも読み取れ、「もっと優しく、柔らかな口調で言えば良かったな」と、反省することでしょう。この反省がリフレクションです。自分を見つめ直すために、自分の看護の質向上を図るために、看護行為や対話の中で“違和感”を感じたことに対して、なぜ違和感が生じたのかを追求するとともに、原因を特定し、次に生かすための改善策を練る、という一連のプロセスを踏んで、反省的な姿勢で振り返る取り組みがリフレクションの考え方です。看護師は日常的に自分自身に対してや他の医療従事者に対して、患者に対してリフレクション(反省)を繰り返していますが、基本的にこれは“無意識”の中で行っています。それゆえ、反省による改善の程度は低く、2度3度と同じ失敗を繰り返してしまうのです。そこで、“無意識”の中で行っている反省を、一定のプロセスを経て“意識的”に行うことで、同じ失敗を繰り返さず、反省による改善の程度を高くすることができ、自身の看護の質を向上させることができるのです。つまり、単なる振り返りではなく、意識的に自己との対話を図ることが、看護リフレクションの効果的な実践に必要な思考なのです。 まず、看護リフレクションの考え方(プロセス)を説明する前に、無意識から意識への移行についてお話します。というのも、看護リフレクションを実施するためには、無意識の中で行われている日常の反省を意識的に行う必要があるからです。人間の脳は常に稼働しているわけではなく、多くの場面では“無意識的”に働いています。たとえば、本を読んでいる間には周りの声や物音が聞こえにくくなるはずです。これは、本を読むことに集中(意識)し、その他のことに対しては集中が分散(無意識)しているからです。全てのことに対して集中している状態では、脳の許容量が超えてしまい、いわゆるパンク状態になってしまうため、脳は1つのことに対して集中力を費やす反面、その他のことに対しては集中力を分散させるというメカニズムを自然に働かせているのです。勉強するにあたって、ダラダラ暗記していては頭に入らず、一晩寝るとすぐに忘れてしまうでしょう。しかしながら、集中して(意識的に)勉強することで、暗記の効率が高くなり、暗記量の増加を図ることができるとともに、一晩寝てもある程度の暗記量は確保されます。このように、無意識で行うことに対しては向上を図るのが難しく、意識的に行うことでより効率的に向上を図ることができるのです。それゆえ、看護リフレクションを実践するにあたって、まずは今まで無意識的に行ってきた“振り返り”から脱却し、意識的に自分と対話するとともに一定のプロセスに沿って行う必要があるのです。なお、意識と無意識の概念についてより深く学びたいという方は、精神分析の創始者である「ジークムント・フロイト」の書籍を閲読すると良いでしょう。 では、なぜ看護リフレクションが必要なのでしょうか。上では、“効率的に自身の看護の質を高めるため”、と述べましたが、それだけでなく、人間性の向上や思考力の向上など、看護の枠を超えて1人の人間として成長を図ることができるのです。 では、どのようなプロセスを経て看護リフレクションを実践すれば良いのか、ここでご説明したいと思います。まず、看護リフレクションを行うプロセスは、すでにGoodman、Gibbs、Johnsなどによって、いくつか開発されています。 ■ ■その出来事はどこで起こったのか、そこで何をしていたのか、自分以外に誰がそこにいたのか、その人は何をしていたのか、何が起こったのかその出来事においてどのような気持ちで何を考えていたのか、何が自分をそのような気持ち・考えにさせたのか、他者の言葉や行動がどのように関係しているのか、その出来事の成り行きによって自分の気持ちや考えはどのように変化したのか出来事や行動に対して何が良くて何が良くなかったのか、そこで起こった価値や重要性は何かなぜこのような状況が起こったのか、状況が良くなかった時は何をすべきであったのか、状況を良くするために何を行ったのか、自分や他者は何に貢献できたのか探求を通して自分自身に何ができたのか、自己のどのような成長に繋がったのか、他者の行動にどのような影響を与えたのか再び同じような状況になったとき、自分はどうするのか ■(どのような努力をしたのか、なぜそのような介入をしたのか、行為の結果として何が得られたのか、患者はどのような気持ちだったのか)それぞれの理論家によってプロセスは異なりますが、概ねどのプロセスを活用すれば良いのか分からない場合には、簡略化した 患者の状況や、看護行為・言動の内容、それに対する患者の反応を詳しく描写し、シート等に記述します。シート等に記述することで、より詳しくその時に状況を描写することができ、次の分析・評価を円滑に行うことができます。次に、患者に対する看護行為や言動において、患者がどのように感じたのか、自分の行動は正しかったのかなど、客観的に分析します。また、実施して良かったこと・良くなかったことなど、1つ1つ評価していきます。 最後に、以上のすべてを振り返り、看護師としての自分と向き合いながら、個人の看護経験を看護の知識へと変換させます。今回のことを踏まえて、良い結果をもたらしたことに関しては、より良い結果を導けるよう考察し、悪い結果をもたらしたことに関しては、同じことを繰り返さないよう肝に銘じておきます。 看護リフレクションは、いわゆる“気掛かり”な場面で実践しますが、たとえばどのような場面において実践すればよいのか、ここで具体例をいくつか提示します。 これらはあくまで例ですので、例にはない場面で、あなた自身が“気掛かり”に思ったこと全てに対して実践しても問題ありません。 次に、看護リフレクション実践の1つの事例をご紹介します。C氏 58歳 男性 統合失調症 入院期間:10年幻覚(幻聴)が活発な状態である幻聴によって言動が左右されているC氏に、どう対応したらよいのかわからなかった。もう少し、C氏の気持ちを汲んだ対応を考えたかったからC氏が痰インの希望を強く持っていることが分かった。また、その希望の強さから幻覚の内容はできあがっているのではないだろうか。はじめ、私はC氏の言葉に混乱してしまい⑥⑨のように曖昧な対応を続けてしまっている。幻聴に左右されているC氏も混乱しているし、私も同じように混乱していたのでは、判断がお互いにつかなくなる。落ち着いて、じっくりC氏の言葉を聴いていくことが大切であると思う。(以下略)長谷川雅美・白波瀬裕美『自己理解・対象理解を深めるプロセスレコード』39項より抜粋、一部改変 このように、看護行為や対話の中で起こった出来事について、なお、上表はまた、患者の頻回な入退院や多くの受け持ち患者数により、看護リフレクションを行った状況は次第に忘れてしまいます。そのために、プロセスレコードを用い記録として残し、後日振り返ることで、さらに深く自分を見つめ直すことができるのです。⇒ 看護リフレクションは、自身の人としての成長ならびに看護の質向上のために不可欠な取り組みです。しかしながら、個人単位で実施するのは無理があり、特に看護リフレクションについてこれまで詳しく知らなかったという方は、教授・指導してくれる教員が必要です。もちろん、一個人で実施することも可能ですが、そうすれば問題解決の糸口は自分自身の主観でしか見つけることができませんので、一個人で行う場合には必ず同僚など第三者からの意見を取り入れることが大切です。現状では、看護リフレクションは未だ広く実践されておらず、院内で実施している医療施設は極少数です。そのため、看護リフレクションの実践法を深く学ぶためにはセミナーやグループワークに参加しましょう。また、研修に参加するのも良いでしょう。看護リフレクションは文章のみの理解で、効率的かつ有効に実践することはできません。セミナーやグループワーク、研修に参加することで、実体験の中で学ぶことができ、さらに他の参加者と交流を図ることで、より詳細に実践法を習得することができます。看護リフレクションの実践への意欲がある方は、ぜひ実体験の中で学んでください。 看護リフレクションは、自分の今までの看護行為を見つめ直すため、看護の質向上を図るために非常に重要な取り組みであり、“反省する”ということは、看護師だけでなく全ての人にとって大切なことです。スポーツ選手でも、何が悪かったのかを反省的に考察しなければ、自分の悪い部分は一向に改良されず、一流のスポーツ選手になることは非常に難しいでしょう。このように、人は何においても向上するために反省的な姿勢で振り返らなければいけません。看護師は数ある職業の中でも多大な責任を負います。また、疾病を有する患者に対して全人的なケアを行えるのは看護師など医療従事者だけです。自身のため、患者のために、この機会にぜひ業務の一環として看護リフレクションの実践を検討してください。1983年生まれ、広島県広島市出身。看護学校を卒業後、広島県内の大学病院(精神科)に就職。夫の転職を機に退職し、妊娠していたこともあり、そのまま専業主婦の道へ。現在は2児のママとして、子育てに奮闘しながら看護師の知識を生かし、在宅ライターとして活動。復職を視野に入れ、看護ならびに心理学の勉強に精を出している。この記事が気に入ったらナースのヒント の最新記事を毎日お届けします

c氏 58歳 男性 統合失調症 入院期間:10年

目標管理シートって何を書けばいいの?病院に提出する目標って悩みますよね。そこで今回は「目標管理シートの書き方」をテーマに、100点満点の目標を立てられるよう解説したいと思います。この記事の内容ここでポイントになるは「上司と一緒に」という点です。もちろん個人としての目標や夢、やりたい事を書くのもOKです。病院が何を求めているのか?自分個人の目標に「病院の求め」をうまくマッチングさせるのが、目標管理シートの上手な書き方です。「組織に貢献か…、なんか面倒だな…」確かに組織への貢献と言えば、ノルマのような嫌なイメージが付きまといます。また目標管理シートは、ある意味で形式的なものに過ぎません。とはいえ、病院側としても色々と事情があるもので、目標管理シートを書いてもらいたいのです。ではなぜ病院は、目標管理をしたがるのでしょうか?実はここに高評価の目標の秘訣があるのです。目標を立てる時に重要なのは、上の3つ「方向性、成長、意欲」です。「職場と方向性を合わせて、個人として成長するため、意欲的に行動する」そのためまずは「方向」を合わせるために、組織目標を確認しましょう。これら組織目標は「病院が求める人材像」に直結しているため、これをベースに個人目標を書いていけばよいのです。そこで次は、個人目標について考えていきましょう。3つのステップで順に整理すると「なりたい自分」までの道のりを明確にできます。まずは、ひとまずのゴールを作ります。ゴールは時系列で考えると、閃きやすいです。具体的には、以下のようにザックリで大丈夫です。どれか1つでも明確になれば、それをひとまずのゴールとします。ひとまずのゴールが決まったら、次はスタート地点を考えていきます。ゴール:リーダー業務をこなせる看護師になりたい。ゴール:一人で業務をこなせるようになりたい。ゴール:新しく導入された医療機器の使えるようになりたい。今のスタート地点が分かれば、次に進みましょう。ここまでゴールとスタートを考えてきました。このギャップを解消する手段こそが、「私はこの1年でこんな行動をします」という目標となるのです。ゴール:リーダー看護師になりたいゴール:一人で業務をこなせるようになりたい。ゴール:新しく導入された医療機器が使えるようになりたい目標は3ステップで考えましょう。これである程度の目標は立てられたと思います。しかし提出する目標管理シートには、もう少し具体的に書かなければいけません。目標管理シートを見栄え良くするには、3つのコツがあります。職場にも目標や理念があります。個人目標が、そこからかけ離れていないかをチェックしましょう。目標は具体的であればあるほど、良しとされています。逆にぼんやりとした目標は、行動に繋がりにくく、達成感も薄く、評価もしずらくなります。具体的に書くには「何を、いつまでに、どのレベルまで」が肝心です。・NG例・改善例できる限り具体的な行動(業務内容やスキル)を入れるよう心がけましょう。数値化された目標ほど、「良い目標」となる傾向があります。もちろん新卒1年目は、数値化するほどの業務知識もなく、難しいとは思います。しかし「経験を積めば目標が立てやすい」ということもなく、複雑になるがゆえの難しさもあります。クリニカルラダーを抜粋し、具体例を挙げてみました。参考リンク:1年目は、具体的な目標を立てるのが難しい時期です。患者さんと積極的に関わるため、1日○○回ナースコールをとる。疾患に関する知識の習得のため、書籍を○○月までに△冊以上読む。○○月までに物品の配置を把握する。不明な点は随時確認する。新人としての扱いが終わり、各自に自発性が求められる時期です。○○月までに、看護計画を一人で立てる事が出来るようになる。インシデントレポートの提出を前年の○○%まで減らす。プリセプティが安心して業務を行えるよう、毎月面談を行う。患者さんや家族の声に自発的に耳を傾け、月○○回は発言内容について上席者に報告する。自分だけではなく、周囲に影響を与える立場を求められる時期です。後輩に任せっきりにせず、毎日○○回は率先してナースコールに応じる知識を深めるため、院外研修に○○回以上参加する。○○月までに手順書の改善点を洗い出し、スタッフ間に共有する。患者さんや家族の声を思い込みで判断せず、内容についてスタッフの意見を広く集める仕組みを○○月までに整える。ここまで考えれば、あとは実際に書いてみるだけです。「でも目標が作れない…」確かにそういったケースもよくあります。目標はその職場で実現したいことです。転職を考えるのは自然な発想です。参考リンク:転職サイトなどで「実際の求人を見てみる」のも良いかもしれません↓ ヒューマンスキル(対人関係処理能力) 3. 患者情報 . 0 !�H�2��锩,A[����5���j�H�Ϯ�F{G4H@���@�����jL�w��4�]�� �P��@͂ÇI�@�����4/����8����a��0P�� ��S�ƔvM^FS_6�u'���8/��00|Z�rȈ[{�Ӝ��jb�}o��f]�9@�n.P�0`��3a��� �c��f1���6\�[jT�+� ��hZ endstream endobj 170 0 obj <

氷山モデルで見えないものを把握する 4.

ナースのヒント|明日のヒントが見つかるWebメディア , %PDF-1.5 %���� では、概念化すると、何が嬉しいのでしょうか? 実は、概念化すると 「本質だけを伝える」 ことができるのです。 具体例は、相手の知識・バックグラウンドも含めた「理解力」によっては、こちらが伝えたいことが伝わらない可能性があります。