ゴダード宇宙飛行センターでウェッブのシニアプロジェクトサイエンティストを務めるジョン・メイザー氏によると、塵微粒子のせいで私たちの目には見えない生まれたての星や惑星も、ウェッブの目から逃れることはできないという。「ウェッブを使えば、不透明な雲の向こうにある、形成過程にある星の姿を見られます」 アポロ計画で重要な役割を果たしたNASAの長官にちなんで名づけられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、口径6.5mもの鏡を持つ(ハッブルは2.4m)。六角形のベリリウム製セグメント18枚からなる反射鏡は、昆虫の複眼を彷彿させる。目的地までの2カ月の旅の間、すべてのユニットは折りたたまれた状態で運ばれる。それが展開する様子は、ハイテクな宇宙の折り紙とでも言おうか。 今年6月26日、NASAはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の組み立てやテストをチェックする調査委員会による報告書を公開した。報告書には、問題がいくつも並んでいる。繊細な推進バルブの清掃には間違った溶剤が使われ、振動テストの際にはきちんと締められていなかったネジが70本も落ちたという。こうした問題によって、18カ月の遅れと6億ドル(約665億円)の追加コストの発生を余儀なくされた。このプロジェクトは当初 …
今でも現役のハッブルだが、永遠に宇宙を覗き続けることはできない。もうすぐ、ハッブルよりも大きい巨大望遠鏡が打ち上げられようとしている。 「これから、あらゆる種類の新発見が待っています。これにより、天文学の世界に再び変化が訪れるでしょう」と述べるのは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のプロジェクトサイエンティストを務める宇宙望遠鏡科学研究所のジェイソン・カリライ氏だ。 NASA(米航空宇宙局)が20年の歳月と87億ドル(約9,100億円)を投じて作るジェームス・ウエブ宇宙望遠鏡(JWST = James Webb Space Telescope) がいよいよ完成に近づいてきた。現在活動中のハブル宇宙望遠鏡 (HST = Hubble Space 縮ç¶æ ã®è°ä¼ãï¼ããã以ä¸ã¯æ´æµå¤ã®ããã«ã¯èããããªãã ãããããéå®å ¬éè¨äºãèªãã¦ã 2018年に打ち上げが予定されているウェッブは、その赤外線カメラにより、宇宙誕生からわずか2億年後の光を集めることができる。宇宙誕生2億年といえば、初期の恒星や銀河が形つくられつつあった時代だ。また、太陽を含む恒星を回る惑星の調査も行う。これらのすべてを、地球から100万マイルの高見から行うのがハッブルとは異なるところだ。 2016-11-16(平成28年) 松尾芳郎2016-11-18 改訂(誤字の訂正) NASA(米航空宇宙局)が20年の歳月と87億ドル(約9,100億円)を投じて作るジェームス・ウエブ宇宙望遠鏡(JWST = James Webb Space Telescope) がいよいよ完成に近づいてきた。現在活動中のハブル宇宙望遠鏡 (HST = Hubble Space Telescope)と違って、一旦打ち上げた後は一切整備しない。従ってJWSTは、打上げ後宇宙空間で完璧に予定通りに展張し、期待通りに作動することが求められている。ジェームス・ウエブ宇宙望遠鏡(JWST) は、直径6.5 mの主鏡を持つ巨大な赤外線望遠鏡である。これに対しハブル宇宙望遠鏡(HST) の主鏡は直径2.4 m。従ってJWSTの直径はHSTの2.5倍の大きさ、主鏡の面積は5倍の広さ(25 mハブル宇宙望遠鏡は地球周回軌道上で観測を続けているが、JWSTは前回述べたように、地球の太陽周回軌道の外側の軌道、地球—太陽ラグランジェ(Lagrange)ポイント[L2] に位置し、地球の太陽周回と一致して太陽を回わり宇宙の彼方を観測する。この[L2]ポイントは、地球から太陽と反対側に約150万km離れた点で、太陽と地球の引力と、JWSTの重さが丁度釣り合う点になる。しかし軌道上のわずかなズレを修正するため、2基のスラスターで、時々位置を修正する必要があり、このためミッションの持続期間は10年間と設定してある。これに対しハブル望遠鏡(HST)は、地表から550 km上空 の軌道上を周回しているに過ぎない。地球—月の距離は40万kmなので、JWSTは地球から月までの距離の3倍以上離れて太陽周回軌道を回る。これまで人類が到達した天体は月までである。従って打上げ後に150万kmを旅してJWSTに行き、整備、改修することは、ほぼ不可能と云う訳である。 ジェームス・ウエブ宇宙望遠鏡(JWST)は、その巨大なサンシールドで太陽(および地球と月)からの輻射熱を遮り、主鏡と4つの観測機器を絶対温度 50 K (-220℃ または -370°F)以下に常に保つ。JWSTは、ハブル宇宙望遠鏡とスパイツアー赤外線望遠鏡の後継で、近赤外線観測を主目的にしている。しかし4種類の観測機器で、長波長 (黄赤色) の可視光線から中赤外線 (波長0.6-28.5 micrometer) 迄の範囲を、ハブル望遠鏡やスパイツアー望遠鏡に比べ遥かに高い解像度・精度で観測できる。赤外線観測の理由は、超遠方にある星々は宇宙の膨張で遠ざかっているので、そこからの光は赤色にシフトして地球に到達、いわゆる“赤方偏移”しているためだ。さらに比較的低温(数千度)の天体は主として赤外線しか放射せず、可視光線での観測は難しい。 JWSTは、2018年10月に南米フランス領ギアナ(French Guiana)からエイリアン5 (Ariane 5) ロケットで打ち上げられる。JWSTは宇宙の始まり“ビッグバン”の直後の最初の銀河が作られた時代から、我が太陽系の成立に至るまでの宇宙の歴史の研究に役立つはずだ。JWSTは、計画が始まった1996年頃には“次世代型宇宙望遠鏡 (NGST = Next Generation Space Telescope)と呼んでいたが、2002年9月に、NASA2代目の長官でアポロ計画を主導したジェイムス・ウエブ氏にちなんでJWSTと改称された。JWSTはNASA、ESA (ヨーロッパ宇宙局)及びカナダ宇宙局(CSA)の国際共同開発の産物である。メリーランド州グリーンベルトにあるNASAのゴダード・宇宙フライトセンター(NASA’s Goddard Space Flight Center)が全体の取り纏めをしている。2002年に開発・製造の担当としてノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)と契約した。打上げ後の運用は“宇宙望遠鏡科学研究所 (Space Telescope Science Institute)”が担当する。JWSTには、幾つもの新技術が組み込まれている;—光学望遠鏡部 (OTE = Optical Telescope Element) は、主鏡とその背後支持装置からなる。主鏡はこの望遠鏡の眼に相当する部分で、宇宙空間から放射される微弱な光を捉え、観測機器に送る役目をする。主鏡は18枚の大型6角形ミラーで構成され、折り畳み式で打上げ後に展開される。各ミラーは超軽量のベリリウム(beryllium)で作られ金メッキが施されている。JWSTの最大の構造物はテニスコート・サイズの5層からなるサンシールドで、これは太陽光の熱から装置を遮蔽する役目をする。サンシールドの太陽に面する側には、“スペースクラフト・バス(Spacecraft Bus)”と呼ぶ部分が取付けられ、JWST全体の通信、位置、姿勢を制御するコンピューターを含む6つのシステムが入っている。科学計測装置モジュール (ISIM = Science Instrument Module) は主鏡背後支持装置の後面に取付けられ計測装置を納めている。計測装置は、カメラと分光分析計が4つあり、極めて微弱なシグナルを記録することができる。”NIRSpec” と呼ぶ計測装置は、プログラム可能なマイクロシャッターを備え同時に100個の目標を観測できる。また、もう一つの”MIRI” と呼ぶ計測装置は、絶対温度7°K (Kelvins) (華氏マイナス447度) で作動する中赤外線検出装置で、冷却のため超低温冷却装置を備えている。 既述したが打ち上げ後は一切整備ができないので、打ち上げ前に入念な試験が必要になる。これから「光学望遠鏡部( OTE )に科学計測装置モジュール( ISIM )を取付け、今年末に振動耐久試験を行う。これはゴダード・宇宙センター(Goddard Space Center, Maryland)で行われる試験で、打上げ時に遭遇する振動に耐えられるかの試験、これは150デシベル(decibels)の騒音に耐える実証試験である。次に、主鏡と計測機器の宇宙空間での超低温を模した耐低温試験で、これはジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center, Houston, Texas) で行われる。これら試験が完了したら、主鏡をバスと結合し、フライト・コンピューターおよび通信機器と接続する。そしてサンシールドを取付け、全体として不具合のないことを確認する。 主鏡 (primary mirror);—主鏡の直径は約6.5 m、重さは705 kg、焦点距離(focal length)は131.4 m、観測可能な波長は0.6 – 28.5ミクロン。サンシールド、観測機器を含むJWST全体の重さは約6,200 kgになる。 サンシールド (sunshiled);—サンシールドはJWSTの主鏡と観測機器類を常時絶対温度45 Kelvins (-233 C) に保持する役をする。太陽光を遮蔽する数値には[ SPF= Sun Protection Factor]が使われ、市販の日焼け止めローションでは8-40位になる。これに対しサンシールドの[ SPF ]は1,000,000にもなる。サンシールドの太陽光側の温度は85度Cにもなるが、裏面の望遠鏡側は-233度Cに保たれる。 観測機器 (scientific instruments);—科学計測装置モジュール ( ISIM = Integrated Science Instrument Module)に取り付けられる各種観測機器は次の通り。NIRCam ;「近赤外線カメラ (Near-Infrared Camera)」、アリゾナ大学が用意した。NIRSec ;「近赤外線分光分析計 (Near-infrared Spectrograph)」、ESAがNASA / GSFCからの部品供給を受けて製作した。MIRI :「中赤外線計測装置 (Mid-infrared Instrument)」、ESAとNASAジェット推進研究所(JPL = Jet Propulsion Laboratory)が共同で開発した。FGS ;「精密誘導センサー / 近赤外線撮影・連続波長分光分析計 ( Fine Guidance Sensor / Near Infrared Imager and Slitless Spectrograph) 、カナダ宇宙機構が製作した。 打上げとその後3ヶ月の推移についてNASAは次のように説明している;— 最後にNASAが公開したJWSTに関するVideoを2件紹介する。 —以上— 本稿作成の参考にした主な記事は次の通り。NASA Nov, 02, 2016 “James Webb Space Telescope”NASA James Webb Telescope “How does the Webb Contrast with Hubble?”Northrop Grumman Capabilities “James Webb Space Telescope”Northrop Grumman News Releases May 24, 2016 “NASA’s James Webb Space Telescope Reaches Major Milestone in Path to Launch with the Completion and Delivery of Optical Telescope Element”Popular Science Nov. 4, 2016 “After 20years, NASA finally finished building the James Webb Space Telescope” by Knvul SheikhUniverse Today 23 Dec, 2015 “James Webb Space Telescope’s Giant Sunshield Test Unit unfurled First Time” by Ken Lremer Tags: